【活動報告】交野市立藤が尾小学校で4年生に演劇創作活動の授業を行いました。

2026年10月23日(金)(今年度2回目)

短時間で創造性を自由に発揮! 個性の豊かさが際立ちました。

「聴く人の心に伝わるスキットをつくろう」―― めあての意図

今回の授業では「聴く人の心に伝わるスキットをつくろう」を、めあてとして提示しました。事前に担任の先生方と打ち合わせを行い、特に 他者意識を育むこと に焦点を当てました。「違いの良さを味わうこと」は、他者の意図や思いを理解することにつながります。
その結果、違いを受け入れる寛容性が育まれます。
この観点を大切にしながら、子どもたちが創作に取り組めるよう授業を構成しました。

また、めあて達成のために

集中すること

伝える工夫を意識すること

の2点を特に頑張ってほしいと伝えました。

一定の制約が創造性を引き出す


今回は「400字スキット創作」の第2弾です。
原稿用紙1枚に、登場人物2人の台詞だけで構成する台本をつくります。

作品の中のイメージをジェスチャーで形にしてみました。 みんな違います。
違うことが普通なんだということを確認します。他者理解の入り口です。

新たに、4つの「前ばなし(書き出し)」を提示し、その続きを創作する形式にしました。前回のように自由に書くのではなく、あえて制約を設けることで、子どもたちの創造性を刺激するねらいがあります。

提示した前ばなしは次の4つです。

①正門の近くで忘れものに気づきました。一瞬どうしようと考えましたが、とてもいいアイデアが浮かんできました。

②うちの学校には不思議な生き物がいます。これは、私が友だちとその生き物に出会ったときのお話です。

③これは、これまで誰にも話していなかったことですが、ふしぎで楽しくて、とってもすてきなできごとのあった場所のお話です。

④夜空を見上げていたら流れ星が見えました。これは、私と友達しか知らない、そのときに起きたできごとです。

前回の経験から、書きたい内容を事前に思い描いていた子もいましたが、今回は「前ばなしがある」と知って驚いた様子でした。
しかし、しばらく考えるうちに集中モードに入り、創作を楽しんでいました。

 前ばなしには「時」「場」「人物の悩み」などがあえて示されていません。
その欠けた部分を自分の想像力で補い、物語の世界を広げていくことが今回の創作のポイントです。

執筆スタート


 執筆が始まると、前ばなしの捉え方についての質問が相次ぎました。
意図を理解すると、子どもたちは一気に集中し、創作意欲を高めていきました。

 今回は、非認知能力の育成に関心のある教育関係者の方も見学されました。前ばなしがあるとはいえ、物語を一から創造していく子どもたちの姿に感心されていました。

 2コマ目の前半で執筆を終了し、全作品を回収します。「もう少しで完成なのに!」という声もありましたが、ここまで創作できていれば十分です。
完成していなくても、物語を紡ぐための思考を十分に巡らせたといえます。
回収後、まず全員のがんばりをたたえました。

 今回は活動のねらいや意味を丁寧に共有したため説明が多くなりましたが、子どもたちはコツをつかむのが早く、積極的に取り組んでいました。

授業後の振り返り

 今日はひと学級のみの実践でしたので、授業後、担任の先生と振り返りの時間を取ることができました。私自身が授業を実践して感じていたことや子どもたちの様子のとらえ方を伝えるとともに担任の先生のお考えなども伺うことができ、とてもいい時間でした。ありがとうございました。


 1学期の取り組み以降、総合的な学習の時間以外にも、国語や学活の時間等で、言語による創作活動や、他者意識に立つ対話を意識して取り組んでいるとのことでした。
 今回の授業では全員が前回以上に積極的に集中して創作に向き合っていました。担任の先生のこれまでの取組の効果が表れていると感じました。このように、定期的な演劇創作活動は、非認知能力が発揮される度合いや行動の変容を具体的に比較することができるものです。

投稿者プロフィール

武田正道
武田正道
一般社団法人ここで 代表理事。
1965年生まれ。出版社勤務等を経て1992年より公立中学校社会科教諭。2006年夏に大阪府中学校演劇協会と出会い、創作劇活動の教育的効果に魅力を感じ研究を始める。

枚方市立西長尾小学校校長就任後は、「対話力」の向上に高い効果をもたらす「発達段階に合った創作劇活動カリキュラム」を構築し、2023年度から全学年で実施。心理的安全性のある教育環境づくりへ尽力。2025年3月退職後も教育支援活動を継続。

趣味は映画鑑賞、ピアノ練習、雑談、自作カレーづくり。