
子どもたちの対話力をつちかう「ロールプレイング・ワークショップ」
演劇の実践は、まるで劇薬のようにかかわる者の心や身体に大きな変化をもたらします。
昔は学芸会や文化祭などで、いわゆる「クラス劇」が上演されることがありましたが、それは今ほどカリキュラムに厳格さがなかった時代の話です。また表現活動に関心を持つ教員の力によって行われる傾向があり、実践する教師の力量によって取り組みに大きな差が出る特性がありました。
したがって演劇の活用によって学級経営がうまくいくクラスが生まれたり、そうでないクラスになったりと、結果にばらつきが生じたようです。
ただ現在では、発表を目的とするイベント等の長期計画性のある取組として演劇を教育に導入することはナンセンスであると受け止められる傾向があります。そこで適切な処方(カリキュラム上の位置づけ)が大切です。それはいったい、どの程度のものであれば適切なのか——そんな考えに基づいて作り出したのがこのカリキュラムです。
具体的にはどんなカリキュラム?
低学年の児童は、ジェスチャーゲームを通じて、さまざまなものになりきったり、グループで場面をつくる体験をします。また、中学年以上(中学生・高校生も含む)になると、原稿用紙に創作劇の台本を書いたり、できあがった作品をグループで演じたりし、お互いにどう感じたかを伝え合いながら交流します。
これらの活動を通じて「他者意識」が涵養(少しずつ育まれていくこと)されていきます。この積み重ねが、つけるべき力を価値あるものだと感じさせ、子どもたち自身でそうした力をつけていこうと意識することにつながっていくのです。
演劇を活用した指導は、体力トレーニングのように、継続的な取り組みの積み重ねによって効果が現れてきます。指導者も、粘り強く、丁寧に、情熱を持って取り組んでいくことで、効果が実感できるようになります。またこれらは、学校現場において効果的で多様なかかわり合い(人間関係の体験)を意図的に提供できるものです。言い換えれば、クラスの心理的安全性を確保しながら「人間関係の疑似的体験指導」ができるものといえます。
その意味でこのロールプレイング・ワークショップは、学級の雰囲気をよりよいものに方向づけやすい特性を持っています。その理解への入口となるのが「400字スキット」です。 「400字スキット」の指導法をマスターすると、演劇的手法を生かしたさまざまな教育活動の本質的意義がつかめるようになります。
演劇には、創る側にも鑑賞する側にも「他者意識を涵養」する力があります。
その力を効果的に教育現場で実践する方法を統合・整理したものが「ここで」が提供する「ロールプレイング・ワークショップ」のカリキュラムです。詳しくはこちらの「資料請求・お問い合わせ」のページからご質問ください。


ロールプレイング・ワークショップを体験した子どもたちは、どう成長する?
ロールプレイング・ワークショップというカリキュラムに取り組むことで、もっとも身につけることができる力があります。
それは「対話力」です。
社会には、必ず他者とのかかわりが存在します。他者との関係性のなかで、どんな困難に直面しても重要となってくる力が、他者意識です。演劇には、自分以外の人物になりきる機会があります。それは、より良い人生をつくりだすうえで、必須のちからであると言えるかもしれません。
ロールプレイングWSカリキュラムを重ねていくことで、他者意識が養われます。
異なる価値観を持った他者を認めること。
さらにその他者と、どうにかしてうまくやっていくこと。
演劇を通じて、こうしたことができる力を育むことができます。私たちはこの力を「対話力」と位置づけています。