400字がひらく、対話と気づきの時間 ―― 第2回「400字で綴る演劇創作講座」(2026年2月14日)

アルチザンマム西商店さんで、
第2回「400字で綴る演劇創作講座」を開催しました。
今回は少人数での実施です。参加されたお二人とじっくり対話しながら進めることができ、とても濃い時間をつくることができました。

教育現場からの問いからの「対話」へ

お二人が抱えていた問いは、どちらも教育に深く関わるものです。

「演劇の力を教育現場でどう生かせるのか」

「演劇創作活動で他者意識のよさに気づいた子どもたちが、日常でもその意識を行動に移せるようになるには、何が必要なのか」

講座中のやり取りは、まさにこの問いへのヒントを探る“対話の場”になりました。
私自身にとっても、演劇創作の良さをどう伝えるか、教育現場の先生方にどう分かりやすく届けるかを改めて考える機会となりました。

豊かな現場感覚から生み出されるもの

創作された作品について
お二人が生み出した400字スキットは、どちらも心に響く内容でした。

•大人に理解されない兄をもつ妹の視点から描いた、子どもの気持ちに寄り添う場面
•亡くなった父との思い出がよみがえる場面
発表は朗読形式で行われ、短いながらも深い世界が立ち上がっていました。

演劇を教育にどう生かすか

講座で深まった話題を紹介します。
1)演劇を教育にどう生かすか
400字スキットの創作には、こんな価値があります。
①自分の作品が誰かに届くことで、「自分は他者に良い影響を与えられる」と実感できる。
②鑑賞直後の対話を通して、「受け止め方の違い」を安全な環境で体験できる。
③その違いが人間関係のトラブルの場ではなく、創作世界の中で起こるため、安心して学べる(心理的安全性のある活動となる)

体感した他者意識の「よさ」を行動へ

2)他者意識を日常の行動につなげるには
参加者の方からは「その秘密を知りたい」とまで言っていただきました。
私が考えるポイントは次の通りです。

①活動中に得た“他者意識の良さ”を、その場限りにしないよう、指導者が価値を言語化して伝えること

②日常の中で他者意識を発揮すると生活が豊かになることを示す価値づけを心がけること

③実感を伴う場を定期的に設けること(年間3回ほどの演劇創作活動の継続が理想)

④先生方自身がファシリテーターとして関わることで、先生方による非認知能力への価値づけが自然と高まること

 こうした積み重ねが、子どもたちの変容を支える「秘密」の一つなのではないかと感じています。

“一期一会”の学びの場

今回の講座は、まさに“一期一会”の学びの時間でした。
特に、先の記載のとおり、先生方がファシリテートを自ら実践する活動だからこそ、「他者意識に易々と立たせる力が、演劇創作活動にはある」のだという「実感」を指導者自身が得られる取組であることを再認識することができました。
ご参加くださったお二人に、心から感謝申し上げます。また西商店の皆様、大変にお世話になりました。

西商店 道頓堀の端という立地。繁華街から少し離れたところにあります。

投稿者プロフィール

武田正道
武田正道
一般社団法人ここで 代表理事。
1965年生まれ。出版社勤務等を経て1992年より公立中学校社会科教諭。2006年夏に大阪府中学校演劇協会と出会い、創作劇活動の教育的効果に魅力を感じ研究を始める。

枚方市立西長尾小学校校長就任後は、「対話力」の向上に高い効果をもたらす「発達段階に合った創作劇活動カリキュラム」を構築し、2023年度から全学年で実施。心理的安全性のある教育環境づくりへ尽力。2025年3月退職後も教育支援活動を継続。

趣味は映画鑑賞、ピアノ練習、雑談、自作カレーづくり。