6月6日(金)に常翔啓光学園高等学校で行われた400字スキットの発表より ――

二人一組で練習し、楽しく発表

発表のようす

高校2年生の作品は、日常生活の一場面を切り取ったものが多く、日ごろの身の周りの人間関係や、願いなどが込められているものもあり、日常や友人関係などが素直に表現できているように感じました。
6月3日に創作した作品を、二人一組でお互いに吟味し合い、発表作品を一つ決め、練習し、順番に舞台で発表しました。初めての取組みでしたが、全員がそれぞれのもつ壁をスモールステップで乗り越え、演じたり朗読したりできました。

作品の一部を紹介<カッコ内は伝えた肯定的コメントです>

題「生徒指導」

先生 おいっ、そこでなにしてるんや!
生徒 やべっ、
先生 今なんか持ってたなー
生徒 なにもないですよ。
先生 四角い箱に何か棒出して口にくわえてたの見たぞ。
生徒 えー、そんなん言われても先生にはあげないですよ。
先生 そういうことちゃうわ。
生徒 えっ?!
先生 いいから出してみ。
生徒 うわ!
先生 どれやどれや?
生徒 そんなさわらないでください!
先生 おっ!
生徒 やべっ!
先生 四角いの見つけたぞー。
生徒 あっ
先生 おいこれ、ポッキーやんけ。
生徒 先生もいりますか?

<電子タバコと思っていたら……。楽しいオチですね>

発表のようす2

題「朝」

目覚まし おい、起きろよ7時やぞ
自分 んー。あと十分
目覚 うわっ、も〜。 

目覚 おーい。10分たったで、起きろよー。
自分 うわ。10分はや。もう結構ギリギリやな。
目覚 知らんやん、起こしたよ?
自分 あと3分。8時からやろ、まだいける。
目覚 また寝るん。

目覚 もう知らんで。
自分 はぁースッキリしたわ。
目覚 おっ今起きたん。
自分 学校行くかー。今何分?
目覚 8時やで。
自分 え? 待ってや。8時やん。も〜最悪。遅刻やん。
目覚 2回も起こしたのに。しっかりしてや。
自分 ちゃんと3分って押したよな? さっき。

<目覚ましのアラームを見ながらの自分の心との対話が描かれています。みんなが自然にやっているひと場面を上手く切り取れました。共感できます>

他者意識を育む振り返り ―― 気づきや感想から

・初めは緊張しそうで不安だったけど、そんな事はなくて演技に没頭できて楽しかったです。作品もリアルで面白かった。
・みんなの作品を見て、こんなふうに言ったら、リアル感が出るとか、いろいろ学べてよかったです。みんな恥ずかしがらずにできてよかった。
・人の前で発表するのは難しいことに気づきました。演技って難しいなってなりました。
・初めてこんなことしたから面白かったです。

・俳優さんの演技はすごいなと思った。役を作るのは大変だなと感じた。俳優さん達が泣いたり怒ったりする感情はそんな簡単には出せないので、尊敬します。
・戯曲を作るのは難しかったけど、自分の実体験を入れて考えたら作りやすかった。
・もっと実際に想像して発表できたらよかったなと思った。機会があればもう一回チャレンジしてみたい。
・セリフを覚えるのがとても大変だった。
・ペアで作るのが楽しかった。

(仲間の演技をほめる内容などもありました)

投稿者プロフィール

武田正道
武田正道
一般社団法人ここで 代表理事。
1965年生まれ。出版社勤務等を経て1992年より公立中学校社会科教諭。2006年夏に大阪府中学校演劇協会と出会い、創作劇活動の教育的効果に魅力を感じ研究を始める。

枚方市立西長尾小学校校長就任後は、「対話力」の向上に高い効果をもたらす「発達段階に合った創作劇活動カリキュラム」を構築し、2023年度から全学年で実施。心理的安全性のある教育環境づくりへ尽力。2025年3月退職後も教育支援活動を継続。

趣味は映画鑑賞、ピアノ練習、雑談、自作カレーづくり。